乾燥だけじゃない！脂漏性のフケ

頭垢（ふけ、雲脂）とは、頭の皮膚から発生する、うろこ状の白い老廃物。頭皮に生じた垢。
新陳代謝によって頭皮に存在する角質細胞が剥がれることにより発生する。フケは新陳代謝により発生するため、それ自体が病気というわけではない。

フケは、頭皮の角質細胞が剥がれ落ちたものです。通常、人間は頭皮だけに限らず、皮膚のある部分は全て、一定の期間で皮膚が生まれ変わるターンオーバー機能が備わっているので、古い角質細胞が剥がれ落ちること自体は、おかしな話ではありません。

しかし、正常にターンオーバーがなされているときに剥がれていく角質細胞は、肉眼ではとらえることができないほど小さなものです。しかし、フケとして目に見えるようになるほど大きな角質細胞が剥がれ落ちているのは、正常なターンオーバーができていない証拠なのです。

フケには大きく乾性フケと脂性フケの２つがあるのですが、それぞれ原因も対策も違ってきます。

一般にフケといわれるものは実は2種類存在します。
①乾性フケ
②脂性フケ

それぞれに特徴があり、治療法が全く異なります。

運動直後や入浴直後を避けた普通の状態で出てくるフケを見て、その状態を参考にします。

一般的には1mm程度の小さな粉状でパラパラと肩に落ちるのが乾性フケ。

比較的大きな塊状でクシや髪にくっつくのが脂性フケです。

パラパラタイプ（乾性フケ）は乾燥したフケなので、頭皮を掻くとパラパラと肩に落ちてきます。
よく、気が付いたら肩に細かいフケが落ちていたということがありますが、
それがこのパラパラタイプのフケの特徴です。

一方、べたべたタイプ（湿性フケ）のフケの特徴はしっとりとしたフケです。
パラパラタイプとは違い、余分な皮脂と混ざり合い頭皮にこびりついていることが多く、
頭皮を掻くと大きなかたまりとなって落ちてきたり、爪の中に入り込んだりします。

～脂性フケの特徴～

●フケ自体がベタベタ湿っぽい。フケと言うよりも小さいかさぶたの
　ような、ちょっと大きめの物が出る。

●肩に落ちると言うより、髪をかきあげたりしたときやブラッシングの時についていることが多い。

●頭皮を指もしくはあぶらとり紙で触り、脂っぽいかどうか。

●頭に「赤み」がないかどうか、他の人に診てもらう。

シャンプーは1日に1回がベスト。それ以上すると乾燥の原因に
シャンプー原液は頭皮直接つけない。手のひらで泡立ててからつける
爪で頭皮を傷つけていないか意識する。指の腹で丁寧に洗う
すすぎ不足はトラブルの原因に。しっかりをすすぎを行う

毎日使うシャンプーは頭皮にとても大きな影響を与えます。 フケの症状が出ているときは、洗浄力が強いシャンプーはNG。 特に注意したい成分は合成界面活性剤の一種である「ラウリル硫酸ナトリウム」などの硫酸系の成分です。 安価で泡立ちが良いため市販のシャンプーに配合されていることが多いですが、極めて脱脂力の強い成分のため乾性フケが気になる方は使用を控えましょう。

頭皮に赤い湿疹やフケができ、場合によっては痒みがでる症状のこと。
皮脂が多い頭皮に菌が住み着き、菌が頭皮に刺激を与えてできます。

頭皮に刺激が加わって、フケや湿疹・かゆみなどが発症します。

脂漏性皮膚炎の場合は、炎症を起こして地肌が赤くなり、かゆみをともないます。皮膚が荒れてかさつき、細かく剥がれ落ちる状態になることも少なくありません。頭皮に症状が起こると、フケがたくさん出るようにもなります。

皮脂の分泌が盛んな部位に起こりやすい皮膚疾患で、原因としては脂漏体質、発熱、飲酒、皮脂分泌機能の異常、寝不足、脂の過剰摂取、加齢による体質変化、ストレス、カビなど様々。
現在では特にマラセチアというカビが原因であるという説が有力だそうで、カビを殺す抗真菌剤シャンプーを使用する事により、半分位の人に改善が見られる。

脂漏性皮膚炎の原因として、従来はホルモンバランスの乱れ、ビタミンＢ不足、洗顔や洗髪によるもの（洗いすぎ、洗い残し）などが指摘されていました。そうしたことも要因の１つですが、より直接的な原因がカビ（真菌）であることがわかってきました。

マラセチアという健康な人の皮膚にも常在しているカビが増加することによって、脂漏性皮膚炎が生じるという説が有力です。このカビが頭皮に繁殖することによってフケ症が生じると考えられています。

成人の脂漏性湿疹は、重症化して初めて治療に乗り出すケースが多いのですが、慢性化し再発を繰り返すことも多いため、医師に相談のもと早めの治療をおすすめします。治療指針としては、炎症を抑えるためのステロイド外用薬と、マラセチアの増殖を抑えるための抗真菌薬が基本となります。

かゆみが強いときはステロイド外用薬、症状が軽減してきたら非ステロイド系消炎外用薬やカビの薬の外用、ビタミンＢ群の内服などの治療が行われます。カビの増殖を抑える成分を配合したシャンプーも販売されています。

治療には抗真菌薬のクリームやステロイドの塗り薬が使われる。ドラッグストアなどで購入できる抗真菌成分入りの薬用シャンプーも使われる。洗髪では、爪を立てて洗うとトラブルの原因になるのでやめた方がよい。