決して不潔にしているから、というわけではないのに、不潔な印象を与えるフケ。出ないようにしたいですが、フケの原因は様々で、解明するのが難しいものです。
どうしてフケが出るの?
地肌は、自然にターンオーバー(新陳代謝)を繰り返しています。健やかな地肌では、古くなった 細胞が目に見えないくらいの垢となり徐々に剥がれ落ちますが、何らかの影響でターンオーバー のリズムが早まると、まだ未熟な細胞が目に見えるくらいの大きさでごっそり剥がれてし まいます。これが「フケ」の正体です。
フケの原因は「脂漏」か「乾燥」
フケの原因は、大きくは「脂漏」と「乾燥」の2つに分けられます。原因によって対策の方法も変わってくるので、まず自分がどちらの原因でフケが出ているのか確認することが大切です。「脂性フケ」
皮膚は普段から皮脂というあぶらが分泌されていますが、この皮脂が多くなった状態のことを脂漏(しろう)といい、これが原因で出るフケのことを「脂性フケ」といいます。脂性フケの特徴は、ある程度大きな塊のフケが出ることです。「乾性フケ」
逆に皮脂が少なく、頭皮が乾燥することで出るフケもあります。これを「乾性フケ」といいます。アトピーなどの症状を持つ人もこの乾性フケが出やすくなります。乾性フケの特徴は、サラサラで細かいフケが出ることです。
脂性フケが発生する原因
脂性フケは毛穴に詰まりやすく、症状が悪化すると抜け毛を引き起こす可能性もあります。皮脂が多く分泌されている原因として、一番多いのが「食生活の乱れ」によるものです。食生活が不規則になっていたり、バランス良く栄養を摂取していないと皮脂が多く分泌されてしまい、脂性フケが発生する原因となります。
その他にも、洗髪するのが数日に1回という人は頭皮が不潔になり頭皮環境は悪化を招いてしまいます。
乾燥フケが発生する原因
乾燥フケが大量に発生する原因としては、頭皮の皮脂が足りなかったり、水分が不足している場合に発生しやすくなります。他にも、体調やストレスが崩れると発生してしまいますし、洗浄力の強いシャンプーなどを使用していても、頭皮の皮脂を必要以上に洗い流してしまうので、乾燥フケが大量に発生する原因となってしまいます。
乾燥した頭皮は免疫力が低下し、フケを発生させるフケ原因菌の増加を招きます。また、乾燥した頭皮は外からの刺激に敏感になり、ちょっとしたきっかけでトラブルを引き起こしてしまうこともあります。
洗浄力の強いシャンプーによる皮脂のとりすぎ
合成界面活性剤などが主成分の“洗浄力の強いシャンプー”は、 毛穴つまりや頭皮の汚れをしっかり取り除くことはできますが、 頭皮に必要な皮脂まで取り除いてしまうことも。 適度は皮脂は健康な頭皮に欠かせないものなので、 これが不足すると頭皮が乾燥し、フケの原因に。また、フケを気にしすぎることによるシャンプーのやり過ぎも頭皮の乾燥を招きます。1日に2回以上シャンプーを行うという人は要注意。
不規則な生活習慣
フケが出やすいのは、生活習慣が不規則な人です。睡眠時間が不十分だったり、不規則な場合、頭皮から分泌される皮脂の量が増えることがあります。また、洗髪が不十分な人もフケが出やすいと考えられます。洗髪をしなければ、頭皮に皮脂や汚れが溜まっていきます。皮脂はマラセチア菌の栄養素でもあるため、菌が増殖すれば、新陳代謝のバランスが崩れるからです。
ストレスや運動不足の影響による体の不調
過度のストレスや運動不足は体の不調を招きます。 頭皮も体の一部です。体調がすぐれなければ当然、頭皮環境も悪化します。また、不調による新陳代謝の低下で、頭皮に必要な栄養素が十分に運ばれないということも。 栄養が届かない頭皮はトラブルが起きやすくなり、元気な髪の毛も育ちません。
フケの対策
毎日の洗髪を見直してみるフケの原因は、ターンオーバーが正常にできていないことが考えられます。「毎日しっかり髪の毛を洗っているのにフケが出る…」という方は、今一度、頭皮を傷つけたり、刺激を与えたりするようなことをしていないかを見直してみましょう。
まずは毎日の洗髪から。フケが出るからといって、シャンプーをしすぎると、かえって頭皮の余分な皮脂まで奪ってしまい、悪化させる原因になります。本来、洗髪はお湯だけで1日1回、シャンプーを使う頻度は、2日に1回でも十分です。
適度に洗っているのにフケが出る場合はシャンプーが合っていない可能性が考えられます。もし、一般的な高級アルコール系シャンプーを使っているようであれば、刺激の少ないアミノ酸系シャンプーを使うのも手ですが、それでも改善されない場合は、思い切って使うのをやめて、様子を見てみるのもありです。
フケ対策専用のシャンプーを使う
脂漏性皮膚炎には抗真菌薬が含まれているシャンプーが有効であることが分かっています。同じく「今日の治療指針 2013年版」によると、「フケとりシャンプーとして、抗真菌薬ミコナゾールが含まれているコラージュフルフルネクストシャンプーが有効である。これには先のバージョンであるコラージュフルフルシャンプーには含まれなかった抗酸化殺菌成分のオクトピロックスも含まれており、2種類の薬用成分を有している」としています。
ヘアケア剤を使うのをやめる
パーマやカラー剤は刺激が強いのでもちろんですが、ヘアスプレー、トリートメントといった毎日のヘアケアも、知らず知らずのうちに、頭皮に刺激を与えている可能性があるので、フケが出始めたら一回全てをやめて、様子をみてみましょう。どうしてもカラーリングをしたいときもあるでしょうが、何もしない、というのも立派なケア方法なのです。